「FUKUOKA UNESCO」27号

1992年12月31日
「FUKUOKA UNESCO」27号 1992年刊行 B5版158頁 1,300円(送料込)

  • 〈特集〉第6回日本研究国際セミナー ’91
    「日本の近代文学と芸術」(昭和期―戦前、戦中、戦後)

第6回日本研究国際セミナー ’91

Aセッション  テーマ “昭和10年代の文学と芸術”

発表

“中島敦とその時代” 奥野政元氏(活水女子大学教授)

“武器としての〈空想〉― 中野重治の昭和十年代 ―” 林淑美氏(中国/文教大学講師)

Aセッション討議

議長 小田切 進氏(立教大学名誉教授)
参加者 上記Aセッション発表者2名、ほか
(討議の内容紹介)
作家 中島敦とは
中島敦における近代的なもの
自己限定ということについて
作品に見る位置関係
『名人伝』を考える
中野重治の転向
フランス文学の影響はなかったのか
ドストエフスキーの影響は
都市の一義的な理念
「得能五郎」の解釈
空想と労働体験
中野の映画のシナリオ
ぶらぶら歩きの意味

Bセッション  テーマ “戦中期の文学をめぐって”

発表

“『細雪』に見る時代の反映” 
Vlasta Winkelhöferová 氏(チェコ・スロバキア/前カレル大学教授)

“『雪国』と川端康成の美意識” Nobuko Miyama Ochner 氏(米国/ハワイ大学准教授)

Bセッション討議

司会 浅野 洋氏(近畿大学教授)
参加者 上記Bセッション発表者、ほか
(討議の内容紹介)
『細雪』には抵抗の意図があったか
アポリティカルな作家谷崎
「細雪」に見る時代の反映
谷崎の国際性
谷崎の文化批判
「細雪」に見る外国人の描写
川端の美意識
美の認識と感じ ― 川端における非現実性 ―
川端における美の清潔と頽廃
川端のエロチシズム
『雪国』に見るセクシーと川端の感覚

Cセッション  テーマ “戦後の文学をめぐって”  

発表

“三島由紀夫 ― 西欧における受容の型” 
  Irmela Hijiya Kirschnereit 氏(ドイツ/ベルリン自由大学教授)

“日本文壇の一匹狼、安部公房 Olof G. Lidin 氏(スウェーデン/コペンハーゲン大学教授)

Cセッション討議

司会 花田俊典氏(九州大学助教授)
参加者 上記Cセッション発表者2名、ほか
(討議の内容紹介)
ヨーロッパでの三島の受容をめぐって
ポストモダン的現象
リバイバルとしての三島の評価
旧ソビエトにおける三島の評価
ポーランドにおける三島
「鏡子の家」をめぐって
「豊穣の海」が傑作でない理由とは
文学の受容理論
安部公房の翻訳の広がり
安部公房におけるナショナルなもの
安部公房のターニングポイント
中国における安部公房

総括討議

議長 小田切 進氏
発表者 浅野 洋氏、花田俊典氏
コメンテイター Mikølaj Melanowicz 氏(ポーランド/ワルシャワ大学教授
ほか、参加者
(総括討議の内容紹介)
(Aセッション) 「昭和10年代の文学と芸術」を省みて
(Bセッション) 「戦中期の文学をめぐって」を省みて
(Cセッション) 「戦後の文学をめぐって」を省みて
(コメント)  ポーランド研究者が感じた昭和文学
戦争に抵抗しない日本の作家
昭和文学は戦争を反映していないか
日本近代文学に見る伝統的要素
天皇制と日本近代文学を考える
日本近代文学に見る戦争批判と抵抗
芸術性を否定しては文学は成立しない
日本的伝統と国際性
三島文学に見る日本的特性と普遍性
国際的な学問上の論戦を

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