「FUKUOKA UNESCO」39号

2003年12月31日
「FUKUOKA UNESCO」39号 2003年刊行 B5版273頁 2,300円(送料込)

  • 〈特集1〉第9回九州国際文化会議報告 「 ―21世紀の世界と日本の選択 ―」
  • 〈特集2〉当協会55年の歩み小史概要

〈特集1〉第9回九州国際文化会議

第1部 テーマ “21世紀の世界と日本の選択”

記念講演

「20世紀をふり返って21世紀を考える」 
ロナルド・ドーア氏(イギリス/ロンドン大学名誉教授)

〈内容紹介〉
はじめに
国際社会における日本の位置づけ
日本社会の階級制度と階級構成を考える
日本型資本主義の特性
自信喪失の時代

「日本の選択について」 加藤周一氏(評論家)

〈内容紹介〉
少しばかりの歴史
イラク戦争へ米国の誘発
憲法を守るということ
「米国と中国」をめぐる政治的撰択
日本の文化問題を考える
個人主義と共同体
“今ここ”文化について
階層化の課題

第1部討議

コメント:ロマノ・ヴルピッタ氏(イタリア/京都産業大学教授)

〈内容紹介〉
もし、イラク戦争が“起きた場合” 日本の選択は
戦後50年を無駄にした日本
日本政治の世襲制度の悲劇

コメント:劉 岸偉氏(中国/東京工業大学教授)

〈内容紹介〉
日本近代史における三つの選択
孫文のアジア主義と王道
日本異質論の脱却を
ラフカディオ・ハーンの視点を

討議

〈討議の内容紹介〉
国際協力を考える
一歩進んだ国際的法秩序を
日本は王道を歩め
日本の大失敗
核兵器問題を考える
普通の国としての歩みを
デジタル文明と情報の偏り
1945年以降の戦後史の意味

第2部 テーマ “今世紀における日本研究の課題-各国における日本研究の状況-”

発表

「中国における日本研究の状況」 
徐 一平氏(中国/北京外国語大学教授・北京日本学研究センター主任) 

〈内容紹介〉
はじめに
一、過去の研究
ニ、北京日本学研究センターと中国の日本研究
三、今後の課題

「不思議の国・日本の研究-フランスの日本学について-」 
フランソワ・ラショウ氏(フランス/フランス国立極東学院所長)

〈内容紹介〉
「不思議の国」とは
シャルル・アギノウェール先生
ベルナール・フランク先生
ルネ・シフェール先生
フランスの日本研究の特徴
日本研究の将来
(レジュメ) はじめに
第二次大戦後の状況
21世紀の課題

「ドイツにおける日本研究の状況」 
スヴェン・サーラー氏(ドイツ/ドイツ日本研究所研究員)

〈内容紹介〉
はじめに
ドイツの日本研究発展の経過
大学改革とドイツの日本研究
日本研究の「国際化」
ドイツの日本研究の問題点と将来

「インドにおける日本研究と日本語教育の現状と方向性」 
P. A. ジョージ氏(インド/ネール大学準教授)

〈内容紹介〉
はじめに
インドにおける日本研究と日本語教育の過去と現状
北インドにおける日本語教育と日本研究
デリー大学とネール大学における日本研究と日本語教育
西インドにおける日本語教育
南インドにおける日本語教育
東インドにおける日本語教育
インドにおける日本語教育の普及を妨げる原因
インドにおける日本研究と日本語教育の問題点
インドにおける日本語教育の方向性

「韓国における日本研究の現状と展望」 
崔 在喆氏(韓国/韓国外国語大学教授・前日本研究所長)

〈内容紹介〉
1.日本研究、経済研究
2.日本社会研究と文化交流
3.日本語教育の歩みと現況
4.日本関連学会
5.日本文学の翻訳紹介と研究傾向
6.日本研究の問題点とその課題、展望

「ロシアの日本学・過去と未来の間で」 
アレクサンドル・ドーリン氏(ロシア/東京外国語大学教授)

〈内容紹介〉
ロシア日本学の運命
アカデミック交換の推移
ロシアの日本学者の将来
(レジュメ) ロシアにおける日本学をめぐる状況
80年代から現在へ

「アメリカにおける日本研究の現状-人文科学を中心に-」
デヴィッド・ハウエル氏(米国/プリンストン大学教授)

〈内容紹介〉
はじめに
言語について
社会科学の分野について
人文科学について
「周縁」をめぐって
「戦前・戦中・戦後」の歴史観の見直し ― 「近代史」としての「現代史」
(レジュメ) 「近代化」(Modernization)から「近代」(Modernity)へ
「周縁」へのまなざし・アジアのなかの日本
「戦前・戦時中・戦後」の歴史観の見直し ― 「近代史」としての「現代史」

第2部討議

〈討議の内容紹介〉
はじめに
差異と共通点
日本語能力の「面」と「裏」
日本における日本の伝統的文化の“受容”
日本文化の表層と深層
日本語の問題を考える
「選択」の意味を考える
宗教の問題とは
世界における経済利益と戦略的覇権
市民レベルでの国際的連帯を
世界の変化に遅い日本の新聞
中国の新しい日本研究の動向について
伝統と現在との結びつきを考える
「文献学」か理論か
北朝鮮の人もこの場へ
特殊性と普遍性を考える
日本語と中国語は近くて遠い
コンピュータ時代の中・日コミュニケーションの課題
誰に向かって語るのか
翻訳の課題とは
文献から理論的解釈へ
日本語とインドのドゥラビダ語について
韓国人が日本語を習う場合の困難
日本のマスコミに見る被害者意識の強調
「謝る」ということについて
新しい日本研究の意味
日本の若者の国文学・古典文化離れ
アメリカの日本研究を省みて
欧州で日本研究が一番多いドイツ
普遍と独自の共存

総括:鶴見俊輔氏(評論家)

〈総括の内容紹介〉
内藤湖南の偉さ
アメリカ人が千年の目をもつとき
京都で育つ文化人
日本文学の可能性
おわりに

福岡ユネスコ協会創立55年記念文化講演会

「日本の外からと内から」 鶴見俊輔氏(評論家)

〈内容紹介〉
世界語としての日本語
人と思想との間の隙間
福岡ユネスコについて思う
高橋正雄氏との出会い
アベグレン氏発言の重さ
サイードについて
私の尊敬する日本人 -万次郎と金子文子-
福岡ユネスコの会議から
ビン・シン氏
サビトリ・ビシュワナタン女史
ヴルピッタ・ロマノ氏
ウィリアム・タイラー氏
オギュスタン・ベルク氏
ロナルド・ドーア氏
ドナルド・キーン氏
呉学文氏
李御寧氏
姜在彦氏
パトリック・デ・ボス氏
加藤周一氏
永井道雄氏

〈特集2〉当協会55年の歩み小史概要


A.会誌「FUKUOKA UNESCO」1号~38号各巻目次
B.会誌「編集後記」瞥見
C.55年の歩み主要活動概要(1948~2002)
D.当協会55年略年譜

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