「FUKUOKA UNESCO」12号

1977年12月31日
「FUKUOKA UNESCO」12号 1977年刊行 B5版123頁 1,300円(送料込)

  • 〈特集〉 第4回九州国際文化会議への寄稿論文から
    現代の人類的課題-文化講座から-
    青木繁と梅野満雄-遺作品をめぐる相剋・その芸術と狂気

「国際化時代における日本人の宗教意識」
  Jan Swyngedouw 氏(オリエンス宗教研究所副所長、南山大学助教授)

〈内容紹介〉
はじめに
日本人の伝統的宗教意識
現在の動向

  1. 日本人論ブーム
  2. 国際化
日本人の宗教意識における変化

  1. 文化内の多様性の均衡は崩れつつあるか
  2. 挑戦に応じようとする反応
むすび

「日本とミクロネシアの過去と現在」 Felix Moos 氏(カンサス大学教授)

「ブラジルの日系人 ― とくに社会への適応について ―」 斉藤広志氏(サンパウロ大学)

〈内容紹介〉

  1. はじめに
  2. 移住史の概略
  3. 現在人口とその分布
  4. 移民と技術革新
  5. 産業別構造の変化
  6. 同化過程でのテスト-混血
  7. 混血の伝統の欠如
  8. 日系人の懇度の変化
  9. ブラジル社会への接続

「アジア太平洋地域における日米の役割」 James W. Morley 氏(コロンビア大学教授)

〈紹介〉「木下祝夫翁のドイツ語訳「古事記」-「KOJIKI」Aelteste Japanische Reichs Geschichte Ⅲ
Band Deutsche Übersetzung-の刊行について」
編者 竹藤 寛氏(福岡ユネスコ協会事務局長)

「人口問題とは何か-その本質と状況-」
林 茂氏(前 厚生省人口問題研究所・人口移動部長、農学博士)

〈内容紹介〉
(1)人口問題の本質
近代の人口問題とは
歴史的・社会的な存在としての人間
人口問題を意識させた農村人口問題
(2)人口問題の史的変遷
資本主義の人口問題
少産・少死型の人口へ
近代人口論の核心
現代世界の人口問題
発展途上国の家族計画
先進国の人口問題と日本の人口問題
日本の人口増加と扶養の問題

「資源エネルギーをめぐる世界的課題と日本的課題」 
牧野 昇氏(三菱総合研究所専務取締役、工博)

〈内容紹介〉
人類の危機 その10の問題点
資源枯渇に如何に対処するか

シンポジウム
現代、人間は何を問われているか
― 人口・資源・エネルギー・生命科学・経済の諸問題から ―

  • 司会:都留大治郎 氏(九州大学教授)
  • ディスカッサント:林 茂 氏、牧野 昇 氏、桑原万寿太郎 氏、宇沢弘文 氏
  • コメンテイター:高橋正雄 氏

〈討議の内容紹介〉
四つの講演から
コメントへの補足
本能行動は“自然の知恵”
地球の資源と人類の将来
人間の欲望にどう応えるか
人口問題と食糧問題
科学技術進歩と価値観について
人口動態の推移
人間に於ける個々集団について
まとめ

「青木繁と梅野満雄 ― 遺作品をめぐる二つの相剋・その芸術と狂気 ―」
竹藤 寛氏(福岡ユネスコ協会事務局長)

〈内容紹介〉
はじめに
第1節 青木繁遺作展と遺族
青木一義(次弟)の書簡
青木繁の佐賀放浪の跡始末 ― 曙旅館の資料から ―
青木嫋の書簡
青木一義書簡(その2)― シニカルな遺作展評 ―
第2節 青木繁遺作品と在京友人グループ
― 『来翰大意』に見られる在京友人グループの見解 ―
「紙片」
「来翰大意」の考察
「紙片」と在福の一義と梅野 ― 在京友人グループとの違い ―
第3節 青木繁の遺族と梅野満雄の断絶 ― 梅野の『訣別の書』から ―
『訣別の書』
『訣別の書』の考察 ― 一義の友人グループへの不信 ―
遺族としての一義の事情を考える
梅野の遺作品に寄せた気持ち
梅野満雄の決断と感傷
遺作品をめぐる相剋の結着 ― 友人グループを離れて遺族の許へ
遺作品の「受取証」
梅野の遺作品「保管メモ」
青木繁の絶筆を考える
第4節 梅野の許に還って来た遺作品
末弟青木義雄の出現
義雄の「売渡証」と梅野の「契約書」
檀一夫の青木繁イメージ
遺作品の売却との義雄の「領収証」と「書簡」について
義雄の「書簡」
第5節 梅野満雄と父親の相剋 ― その狂気の心理的背景と青木繁の芸術 ―

コメントは受け付けていません。