「言葉は世界を変えられるか」(中島岳志氏、國分功一郎氏の講演と対話) を終えて
2020年の春から猛威を振るい始めたコロナウイルス感染の世界的な拡大により、人々の広範な移動や多数の人が集まることが制限され、それにより対面による直接的なコミュニケーションの機会は縮小を余儀なくされてきました。そのように一方では閉塞的になった時間が経過する中で、ロシアによるウクライナ侵攻や中東での民族紛争のような世界的な戦争に発展しかねない事件が起きたこの激動の3年。この文化セミナー「言葉は世界を変えられるか——ポストコロナと紛争の現代に考えること」では、今の時代の動きを振り返り、われわれは世界をどのように理解したらよいのかを「言葉」をキーワードとして見つめ直してみることにしました。
講師には、南アジア地域研究、日本思想史を専門とする東京工業大学教授の中島岳志さんと、哲学・現代思想を研究する東京大学大学院教授の國分功一郎さんの二人をお招きして、短い講演と対話を繰り返す形式で問題を掘り下げていただきました。