「外国文学を読む。訳す。~柴田元幸氏による講演と朗読の夕べ~」を終えて

2017年04月06日

北九州市で3月20日に福岡ユネスコ文化講演会として翻訳家、柴田元幸氏(東京大学文学部特任教授)の講演会を開催しました。

外国文学を読む。訳す。~柴田元幸氏による講演と朗読の夕べ~

これまでの大規模会場での講演会から、ドリンクを片手にカジュアルにそして小規模の人数で、講師を身近に感じてもらいながら文学の楽しさを味わってもらえるような形にリニューアルをした最初の講演会です。場所も小倉駅近くのコワーキングスペース秘密基地ということで、ライブにぴったりな雰囲気で、柴田さんの朗読のパフォーマンスが観客を魅了しました。

外国文学を読む。訳す。~柴田元幸氏による講演と朗読の夕べ~

アメリカの詩人チャールズ・レズニコフの詩の朗読でスタートして、スティーブン・ミルハウザーやスチュアート・ダイベックの短編の一部などが柴田さんの訳された言葉で、ユーモアを交えながらて小気味よく紹介されました。

「メディアは、いま機能しているのか?」を終えて

2017年02月04日

メディアは、いま機能しているのか?(2017)

福岡ユネスコ文化セミナー「メディアは、いま機能しているのか?-ジャーナリズムの再生をめざしてー」が1月29日に終了しました。

昨年12月の日露首脳会談でテレビのコメンテーターを務めるなどニュース番組とのかかわりも深い岩下明裕氏(北大・九大教授)のコーディネートのもとに、元朝日新聞記者の稲垣えみ子氏、TBSテレビ「報道特集」の金平茂紀氏、元琉球新報論説委員長で現在沖縄国際大学教授の前泊博盛氏、そして最後にメディア・アクティビストの津田大介氏が、体験や過去の映像に基づいてそれぞれのジャーナリズム論、メディア論を話されました。

メディアは、いま機能しているのか?(2017)岩下氏

コーディネーターの岩下明裕氏

メディアは、いま機能しているのか?(2017)稲垣氏と金平氏

稲垣えみ子(左)氏と金平茂紀氏(右)

メディアは、いま機能しているのか?(2017)前泊氏と津田氏

前泊博盛(左)氏と津田大介氏(右)

その後2時間近い討議でも、現在の新聞、テレビ、ネットでのジャーナリズムが持つ様々な問題点が議論され、聴衆も興味を持って熱心に耳を傾ける中、5時間半が瞬く間に過ぎていきました。

メディアに関わる当事者が考えなければならないこと、読者や視聴者がジャーナリズムを支えるためにできることにも話が及びましたが、もっと議論しなければならないこと(メディアに対する市民の拒否反応など)も見えてきたセミナーでした。

「インドから見たアジアの未来」を終えて

2016年12月20日

「インドから見たアジアの未来」アシシュ・ナンディ氏

インドの社会・文明評論家で、2007年の福岡アジア文化賞大賞を受賞されたアシシュ・ナンディ氏を講師として、福岡ユネスコ・アジア文化講演会「インドから見たアジアの未来」が2016年12月11日に開催されました。

「インドから見たアジアの未来」アシシュ・ナンディ氏と藤原帰一氏

インドの知識人であるナンディ氏は「アジアの未来を再考するー南アジアからの応答ー」というタイトルで約1時間の講演をされ、その後国際政治学者藤原帰一氏(東京大学大学院教授)が聞き手を務められて、講演内容をより身近で分かりやすく、また現代の社会情勢とクロスさせながらインドやアジア全般の歴史や社会について考えさせられる催しとしていただきました。

「インドから見たアジアの未来」会場風景

1970年代には600以上の言語があったといわれ、神の順位づけから野菜にいたるまでもカーストが存在する「多様な」国インドに育ち、心理学や社会学を背景に発展途上社会の研究を長く続けてこられたナンディ氏は、「多様性」ということに強い関心を持っておられました。
アジアを多様な文明が出会う場所と考えていきたいというアシシュ・ナンディ氏の思想を直接聞ける貴重な機会となりました。

「国境(ボーダー)が持つ可能性―日本と隣国の最前線を見る」を終えて

2016年08月15日

8月6日に、日本の国境(ボーダー)研究の第一人者、岩下明裕氏を講師に、福岡ユネスコ研究講演会「国境が持つ可能性 ― 日本と隣国の最前線を見る」を開催しました。

日本の敗戦以降の北方領土問題(この言葉自体が日本側の四島一括返還論をアピールするために人為的に作られた呼称)の歴史的経過や問題点、元島民の方々の意見発表など、九州では接する機会が少ないテーマを写真や映像を豊富に使って、わかりやすく説明されました。

岩下明裕氏

また、後半の時間は、国境(ボーダー)が抱える負の要素ばかりを見るのではなく、明るくポジティブな要素をとらえなおしてボーダーツーリズムに繋いでいくなど、韓国との交流が進む対馬を含めた九州の可能性にも光を当てる将来に向けた提案も出されました。

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターをベースに、今年から九州大学アジア太平洋未来センターの教授を兼任するようになった岩下さんの、九州での今後の研究に期待が高まる講演会でした。

福岡ユネスコ講演会 国境(ボーダー)が持つ可能性―日本と隣国の最前線を見る

『ヘヴンズ ストーリー』のその先へ を終えて

2016年07月05日

今年度最初の催し「『ヘヴンズ ストーリー』のその先へ」では、瀬々敬久(ぜぜ・たかひさ)監督の大作『ヘヴンズ ストーリー』(2010年、278分)の上映及び監督と関一敏さん(九州大学名誉教授)の対談を行いました。

『ヘヴンズ ストーリー』の上映は福岡では封切時以来となり、4時間38分の長編ながら、これまで観ることのできなかった方たちがたくさん来場されました。福岡市総合図書館・シネラという、福岡市内でフィルム上映ができる数少ない映像専門ホールでの開催であったため、映画の持つ力を堪能してもらえました。

「『ヘヴンズ ストーリー』のその先へ」瀬々敬久監督

現在全国で上映され、ヒットしている『64-ロクヨン』(前・後編)の瀬々敬久監督にキャンペーン等お忙しい中を福岡まで来ていただき、『ヘヴンズ ストーリー』が持つ世界観を、宗教学・文化人類学が専門の関一敏さんと一緒に縦横無尽に語ってもらい、映画の深層に迫る対談となりました。

「『ヘヴンズ ストーリー』のその先へ」対談風景

日韓メモリー・ウォーズ ―日本人は何を知らないか― を終えて

2016年04月01日

3月19日(土)に国際文化セミナー「日韓メモリー・ウォーズ ―日本人は何を知らないか―」を開催いたしました。

朴裕河(パク・ユハ)さん

午前中は『帝国の慰安婦』の著者、朴裕河(パク・ユハ)さんによる特別講演「〈帝国〉から見た日韓関係―暴力の構造」が行われました。日本と韓国の間に横たわる四大問題(「教科書」「慰安婦」「独島・竹島」「靖国」)についての経緯からスタートして、『帝国の慰安婦』の主題のひとつである「記憶のずれと混乱」について、そして共通認識・記憶作りに向けた提案まで、具体的に分かりやすく話されました。静かな口調ながらその力強い話しに聴衆が聞き入った80分間でした。

午後は金成玟(キム・ソンミン)さんの「戦後韓国における日本論・日本人論・日本文化論の変容」と水野俊平さんの「若い世代の認識ギャップとメディアリテラシーの必要性について」の発表をが行われ、上野千鶴子さんをコーディネーターに4人で討議がが展開されました。

上野千鶴子さん

上野さんの的確な問題設定により、現代の日韓関係や民主主義の問題などについて各パネリストから様々な意見だ出されました。
セミナー後の著書サイン会では、硬派な本ながら売り切れ本が続出し、聴衆の関心の高まりを窺わせました。

日韓メモリー・ウォーズ ―日本人は何を知らないか―

福岡ユネスコ文化講演会&トークショー「東山彰良の小説世界」を終えて

2016年03月03日

小説『流』により、2015年上半期の直木賞を受賞された作家・東山彰良さんを迎えて、福岡ユネスコ文化講演会&トークショーを2月24日に北九州市戸畑区で開催しました。

福岡ユネスコ文化講演会&トークショー「東山彰良の小説世界」
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福岡ユネスコ講演会「宗教とは何か —日本から世界を見る」を終えて

2015年12月18日

12月12日に「宗教とは何か ―日本から世界を見る」というテーマで講演会を開催しました。
講師は九州大学名誉教授の関一敏さんでした。

福岡ユネスコ講演会「宗教とは何か —日本から世界を見る」講師の関一敏氏(2)

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「福岡ユネスコ・アジア文化講演会 生きている歴史、繋ぐ記憶」を終えて

2015年11月17日

オーストラリアの著名なアジア研究者テッサ・モーリス=スズキさんを講師にお招きして、11月14日(土)に福岡ユネスコ・アジア文化講演会を開催しました。

平成27年度福岡ユネスコ・アジア文化講演会(講演:テッサ・モーリス=スズキ氏)
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「新興アジアをどう見るか? 4つの視点」を開催

2015年07月14日

「新興アジアをどう見るか? 4つの視点」のテーマで、末廣昭氏(東京大学社会科学研所教授)による、アジアの新興経済諸国の経済・社会状況についての講演会を7月11日に開催しました。

末廣昭氏(東京大学社会科学研所教授)

末廣昭氏(東京大学社会科学研所教授)

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「葉室麟の世界にふれる」を終えて

2015年03月06日

2014年度最後の催しである、福岡ユネスコ文化講演会&トークショーを3月4日北九州市の戸畑市民会館で開催しました。講師は小倉生まれで、幼少期を北九州で過ごした作家の葉室 麟さん。松本清張賞を受賞した『銀漢の賦』(07)を原作としたNHK時代劇「風の峠」の放映が終わって間近なこともあり、葉室さんの話を聞きたい市民が多く集まりました。

葉室麟の世界にふれる

葉室麟の世界にふれる

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「アジア主義―その先の近代へ」を開催

2015年02月05日

2015年1月24日(土)に「アジア主義―その先の近代へ」をテーマに福岡ユネスコ文化セミナーを開催しました。

午前中の基調講演では、北海道大学の中島岳志さんが幕末から現代までの日本のアジア主義の流れを分かりやすく、また熱く語られました。特に福岡の玄洋社の活動が持った課題や可能性など未来につながる内容を含んだ80分の講演でした。

中島岳志さん

中島岳志さん


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イム・グォンテク(林権澤)監督の講演会を開催

2015年01月08日
イム・グォンテク(林権澤)監督の講演の様子

イム・グォンテク(林権澤)監督の講演の様子

2014年11月24日に、韓国映画界の宝と言われている林権澤(イム・グォンテク)監督の講演とトークショーを開催いたしました。

講演では、韓国の伝統芸能パンソリの演目を映画化した『春香伝』の上映を念頭に、イム監督がパンソリの映画を撮りたいと思った1960年代の思い出や、『風の丘を越えて/西便制(ソピョンジュ)』でパンソリ芸人の父娘が「チンドアリラン」を唄い踊りながら恨(ハン)を解く有名なシーンの説明、そして映画の背景音楽としてパンソリを使った『酔画仙』のシーンができるまでのいきさつなど映像を交えながらの印象的なお話がありました。(了)

イム・グォンテク(林権澤)監督による自作の解説

イム・グォンテク(林権澤)監督による自作の解説


イム・グォンテク(林権澤)監督と石坂健治氏(日本映画大学教授)とのトークショー

イム・グォンテク(林権澤)監督と石坂健治氏(日本映画大学教授)とのトークショー

中園成生講演会で、オラショの実演が行われました。

2014年11月13日


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福岡ユネスコ・研究講演会として、平戸市生月町博物館の学芸員である中園成生氏の講演会「かくれキリシタンのオラショを巡る旅」が2014年10月18日(土)に西南学院大学博物館講堂で開催されました。

かくれキリシタン史の概要から説明を始められ、かくれキリシタンの信仰組織や信仰対象、生月島の年中行事やオラショなど信仰のそれぞれの要素について、写真や図表を使って詳しくお話がされました。
約100分の講演の後に、生月町から来ていただいた3人の男性信者の方により、16世紀から伝えれれているオラショ合唱の実演がありました。

ヴォーリスが設計した大正時代の赤レンガによる博物館の講堂という、キリスト教関連の催しには最適の場所で唱えられたオラショは、参加者の心に強い印象を残してくれました。

ホームページをリニューアルいたしました。

2014年10月10日

福岡ユネスコ協会は昨年4月に一般財団法人となりましたが、任意団体の時から通算すると今年で66年間活動を続けてきたことになります。しかし、長い活動時間のわりにはあまり多くの方に知られている団体ではありません。催しとしては1年間に5、6回の講演会やセミナーを開催するだけですから、当協会の活動に関心を持っておられる方々と直接にお会いする機会は限られています。そのために、講演会やセミナーの内容をブックレットや単行本として出版し、参加しておられない方にも広く知っていただけるようにいたしました。

今回ホームページをリニューアルいたしましたのも、当協会の活動に参加されたり、興味を持っていただいた方々とのコミュニケーションを深めたいからです。従来のホームページよりももっとスムーズに目的の項目を探し出せたり、催しに簡単に応募できたり、また要望や意見やアイディアなりを気軽に提案できるように工夫をしてみました。皆さんからのもっと身近なアクセスにより、これまで以上に面白くかつユニークな活動を続けていくように努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

一般財団法人福岡ユネスコ協会

「日本人の堕落時代 夢野久作」を開催

2014年05月17日

2014年5月17日午後、福岡市で四方田犬彦さんの講演会を開催しました。福岡市で生まれた不思議な作家、夢野久作の生誕125周年に因んで、「日本人の堕落時代 夢野久作」というテーマでお話しいただきました。

杉山直樹(久作の本名)が入院していたにもかかわらず、1923年に発生した関東大震災を取材するために東京に向かい、生々しいルポルタージュを「九州日報」に書き続けた記者時代(作家・夢野久作になる前)の作品『東京人の堕落時代』を高く評価されていました。

四方田犬彦講演会

四方田犬彦講演会

「FUKUOKA U ブックレット」第4号が刊行されました

2013年08月09日

当協会のシンポジウムや講演会などを収録した「FUKUOKA U ブックレット」(弦書房 刊)。
シリーズに新たな1冊が加わりました。
第4号は社会学者 大澤真幸氏の講演録
『〈未来〉との連帯は可能である。しかし、どのような意味で?』(A5版67頁、定価\700+税)
3.11後の社会をどう生きるか…。大澤社会学、渾身のライブトークです。
全国の書店でお買い求めいただくことができます。

~今までに刊行されたブックレットは次のとおりです~
創刊号(2012年7月)は社会学者 見田宗介氏の講演録
『現代社会はどこに向かうか 生きるリアリティの崩壊と再生』(A5版64頁、定価¥650+税)。
第2号は京都大学教授 小倉紀蔵氏の講演録
『東アジアとは何か 〈文明〉と〈文化〉から考える』(A5版64頁、定価¥650+税)。
第3号は作家の黒川創氏と、文芸評論家の加藤典洋氏による講演と対談の記録
『考える人 鶴見俊輔』(A5版96頁、定価¥780+税)。