「FUKUOKA UNESCO」25号

1990年12月31日
「FUKUOKA UNESCO」25号 1990年刊行 B5版209頁 1,300円(送料込)

  • 〈特集〉 第4回日本研究国際セミナー ’89
    「-日本の近代文学と芸術-」

「第4回日本研究国際セミナー ’89」

Aセッション テーマ “北村透谷と幸田露伴をめぐって”

発表

「透谷の『八犬伝』受容について」  李淙煥 氏(韓国/釜山大学校教授)

「百年の孤独:露伴私観-『運命』を中心に-」  夏 剛 氏(中国/京都工芸繊維大学助教授)

Aセッション討議

議長 小田切 進氏(日本近代文学館理事長・立教大学教授)
討議参加 上記のAセッション発表者2名 他
(討議の内容紹介)
透谷の「八犬伝」の受容をめぐって
「鏡」の意味
恋愛観について
透谷の後代への影響
露伴の『風流仏』と透谷の『楚囚之詩』
日本の近代化と露伴の『運命』
露伴の作品のおもしろさとは

Bセッション テーマ “二葉亭四迷と夏目漱石をめぐって”

発表

「二葉亭四迷『浮雲』の問題点」
  Kim Rekho 氏(ソ連/ソ連科学アカデミー世界文学研究所所長・ソ連作家同盟員)

「文化翻訳者・成造者としての夏目漱石」
  William J. Tyler 氏(米国/前米・加大学連合日本研究所所長)

(内容紹介)
序文
漱石の翻訳物
漱石の翻訳理論-作品より
漱石の翻訳理論-批評より
文学影響論
漱石と『ハムレット』

Bセッション討議

司会 藤井淑禎氏(東海学園女子短期大学助教授)
討議参加 上記のBセッション発表者2名 他
(討議の内容紹介)
二葉亭の「余計者」とは
日本近代文学の創始者として
文学の翻案と翻訳とは
『浮雲』の評価
『ハムレット』の翻訳と漱石
世界文学と漱石
翻訳の可能性

Cセッション テーマ “日本近代文学の一特色 -自然観の変遷と「女性」の発見-”

発表

「一葉における「風景」の様相 -明治24年秋の日記から-」  関 礼子氏(亜細亜大学助教授)

(内容紹介)
はじめに
  1. 視ることへのこだわり
  2. 訪問者の視点
  3. 異界からのメッセージ
  4. 開化の景観
  5. 東京図書館

「日本近代詩と中原中也 -自然観の変遷-」
Yves-Marie Allioux 氏(フランス/ストラスブール大学助教授)

(内容紹介)

  1. 雲雀について
  2. 石と小石について
  3. 秋風の色について

Cセッション討議  

司会 藤井淑禎氏
討議参加 上記のCセッション発表者2名 他
(討議の内容紹介)
文学研究から作家へ
詩から散文へ
近代的な自我とは
一葉の日記について
「漢詩と東洋詩の精神」とは

Dセッション討議  テーマ “日本の近代文学と芸術 -明治期を中心に-” 

議長 小田切 進氏
ディスカッサント Monnet A. R. Livia 氏(西独/ハイデルベルグ大学講師)
コメンテイター 中村青史氏(熊本大学教授)
(討議の内容紹介)
三つの問題 -翻訳・自我・日本近代文学の位置-
伝統の継承と創造
「秋風」と中原中也の補遺
「脱亜入欧」の観点から
文化翻訳者、文化創造者としての漱石を考える
森田思軒について
インドネシアの日本文学研究者の立場から
日本研究の方法について
日本的な、とは何か
日本近代文学における東洋と西洋

〔寄稿〕

「幕末の歌人大隈言道をめぐる三章」  竹藤 寛氏(福岡ユネスコ協会事務局長)

(内容紹介)
第1章 歌人大隈言道の発見 -佐佐木信綱と梅野満雄にみる-
1節 佐佐木信綱の『草徑集』の発見 
佐佐木信綱の「緒言」
2節 梅野満雄の「緒言」
3節 梅野による言道の資料蒐集と調査・研究
梅野の「大隈言道翁傳」から
-大隈言道略記-
第2章 歌人大隈言道評の考察 -佐佐木信綱と正岡子規-
1節 佐佐木信綱の言道評
言道の歌の特徴
2節 子規の「草徑集を読む」の一文から
3節 子規と橘曙覧
橘曙覧瞥見
子規の曙覧の歌評
折口信夫の子規・曙覧観
子規の言道評を考える
4節 子規と言道に見る和歌批判
第3章 言道と望東尼-幕末期晩年の10年有余 -芸術とナショナリズム-
1節 その歌風の対比
2節 言道の晩年の10年有余
-滞阪と家集『草徑集』の梓行-
3節 野村望東尼の晩年の10年
-勤皇運動へ-
4節 言道と望東尼の差異
言道と望東尼の師、二川相近
師弟の相違と共通性 -その革新性について-
5節 言道と望東尼の師弟の信頼
望東尼へのメッセージ -世界の中の日本としての栄えを-

〔寄稿〕

チェコスロバキアからの便り -ビロードの革命・「中欧」の復活-
Vlasta Winkelhöferová 氏(カレル大学哲学部教授)

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