「FUKUOKA UNESCO」30号

1994年12月31日
「FUKUOKA UNESCO」30号 1994年刊行 B5版201頁 1,300円(送料込)

  • 〈特集〉「第7回日本研究国際セミナー’93」
    -アメリカにおける戦後日本の政治研究-

第7回日本研究国際セミナー’93

Aセッション テーマ 「戦後日本の初期政治過程 - 変革と持続 -」

発表

「戦前・戦後日本政治の持続と変化」 福井治弘氏(カリフォルニア大学セントバーバラ校教授)

(内容紹介)
 序

  1. 政治制度、文化、行動の3分野における変革と持続の認識
  2. 政治代表制度における変革と持続
  3. 地方政治
  4. 官僚制、政策決定、国家と経済社会
  5. 変革と持続観の変遷
  6. 結びにかえて:戦後日本政治変革論と近代化論

「55年政治体制の成立前後における保守党派閥の変化」
Steven Reed 氏(アメリカ/中央大学政策学部教授)

(内容紹介)
自民党成立前の派閥
芦田派
鳩山対吉田-民同派
忠誠か当選か?
追放解除組
吉田学校
自民党以前の派閥の特徴
自民党内の派閥
初期自民党型派閥のモデル
さらなる進展
連続性と変化

Aセッション討議

議長 石田 雄氏(八千代国際大学教授)
ディスカッサント 五百旗頭(イオキベ) 眞氏(神戸大学教授)
討議参加者 Aセッション発表者
(討議の内容紹介)
対日占領をどう考えるか
アメリカにおける日本研究の世代の違い 
日本の伝統的地層と戦後
日本特殊論とは
占領による断絶
日・独占領下の比較
Reed教授へのコメント
派閥の首班を選任
アメリカの日本政治研究者の世代の特徴
地域研究と研究費
チャルマーズ・ジョンソン教授の視点など
占領期と日本の自立性
日本研究における客観性を
首相のブランドイメージ
日本政治の汚職の現実
政治の汚職問題
東アジア時代とは
制度と文化
研究資金について
価値観と分析の枠組み
天皇制との関連は
社会科学での価値観を排す
戦後民主主義の系譜とは

Bセッション  テーマ 「保守-党支配政治と官僚」

発表

「日本の首相と受動的リーダーシップ」 Kenji Hayao 氏(アメリカ/ボストンカレッジ助教授)

(内容紹介)
分析のための枠組み
首相と政策決定過程
政治的リーダーシップ
テクノクラティックなリーダーシップ
受動的リーダーシップ
共鳴振動数
下から決められる共鳴振動数
上から引き上げるという首相の役割
結論

「保守単独政権の崩壊と今後の展望」
Kent E. Calder 氏(アメリカ/プリンストン大学教授)

Bセッション討議

議長 内田健三氏(東海大学教授)
ディスカッサント 藪野祐三氏(九州大学教授)
討議参加者 Bセッション発表者
(討議の内容紹介)
制度を変えるということ
政治学者と経済学者の相互乗り入れを
リーダーシップの比較
産業構造の変化と対応
付き合い型社会へ
コメントに答えて
日本政治経済の効率化を
リーダーシップのタイプについて
日本の伝統的政治文化
リーダーシップの分類
リーダーシップの役割
日本の制度固有の論理
日本の経済構造の変化とは
政治の制度論をめぐって
非自民政権の今後
補佐官について
選挙制度について
社会改革の日を
アジア諸国の文化との比較を
東アジア研究の現状

Cセッション  テーマ 「湾岸戦争後の日本の政治的動向」

発表

「現代日本のナショナリズム ― 新しいナショナリズムの勃興とその形態 ―」
Bruce Stronach 氏(アメリカ/国際大学准教授)

(内容紹介)
国政と国家
軍国主義
国家のアイデンティティと世界

「湾岸戦争と日本の政治展開」
Terry MacDougall 氏(アメリカ/スタンフォード日本センター京都日本研究センター所長、スタンフォード大学教授)

(内容紹介)
1 湾岸戦争と日米の反応
2 湾岸戦争と日本政治の混迷
国際危機管理問題
国際的な集団的安全策
リーダーシップ欠如
意識問題と相対主義
3 日本政治の展開
意識転換
孤立の危惧
政治リーダーシップ

Cセッション討議

議長 関 寛治氏(立命館大学教授)
ディスカッサント 桂 敬一氏(東京大学社会情報研究所教授)
討議参加者 Cセッション発表者
(討議の内容紹介)
戦後日本のナショナリズム論について
戦後日本のマスメディアとナショナリズム-湾岸戦争を契機に-
新たな日米関係の動向
日本の進路への危惧
メディアにしっかりした論議を
メディアの役割とは
ポスト冷戦とアメリカとの協力
歴史の教訓から
アメリカが日本に求めるもの
正しいナショナリズムの教育を
日本の平和憲法について
湾岸戦争を考える
沖縄から見た日本のナショナリズム
ナショナリズムの両義性
アメリカの日本への失望

総括討議

議長  升味準之輔氏(東京都立大学名誉教授)
コメンテイター  Haruhiro Fukui (Prof. Univ. California)
 松下圭一氏(法政大学教授)
(総括討議の内容紹介)
はじめに
経済的・社会的変化の重要性
スキャンダルと自民党・社会党の議席の変遷
豊かさをもたらさなかった高度成長
’93年の7月選挙と地殻の変動
近代化発展過程の分析
都市型社会へ
文化の二重構造
制度の二重構造
A、B、Cセッションから
55年自民党体制崩壊の原因
文化概念への疑問
非自民政権と国際的側面
第三の民主化の波とは
アメリカの日本政治研究から
世界を動かす新しい情報産業
日本の持つ潜在的危険性
政治学の知的生産性の欠如
日本の再軍備心配の理由
大国の使命感に迷惑

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