「FUKUOKA UNESCO」37号

2001年12月31日
「FUKUOKA UNESCO」37号 2001年刊行 B5版167頁 1,300円(送料込)

  • 〈特集1〉 第11回日本研究国際セミナー2000 「 ― 世界における日本研究と加藤周一 ―」
  • 〈特集2〉 ユネスコ文化講演会 「アジアの近代化と魯迅・漱石」
    「鷗外と漱石の九州 ― その小倉・熊本の雌伏時代」

〈特集1〉第11回日本研究国際セミナー2000

基調講演

「私と戦後55年」 加藤周一氏(評論家)

〈内容紹介〉
予想出来なかった戦後 ― その明・暗
60年代末の学生運動
ヴィエトナム戦争
正義の戦争があるか
日本の近代史の型
未来へ向けて

「古典的知識人 加藤周一」 
イルメラ・日地谷-キルシュネライト氏(ドイツ/ドイツ日本研究所所長、ベルリン自由大学教授)

〈内容紹介〉
知識人とは
戦後のフランス留学とその体験
加藤氏の時代区分とその興味の中心
加藤氏に課せられた役割
『夕陽妄語』を読む
加藤周一と私

質疑応答

〈質疑応答の内容紹介〉
はじめに
文化問題とは
漢字文化圏と論語
バイオテクノロジーをどう考えるか
文化についての不安とは
古典的とは何か
文化の定義

Aセッション

発表

「自伝における想像と虚構-『羊の歌』を中心に-」 
  ジャニン・ジャン氏(米国/カリフォルニア大学準教授)

〈内容紹介〉
『羊の歌』について
自伝の虚構性と『羊の歌』
自伝文学を考える
社会的辺縁性と自己認識

「加藤周一と日本文化雑種性の問題-雑種性から普遍性へ-」 
ジュリー・ブロック氏(フランス/京都工芸繊維大学助教授)

コメント:加藤周一氏

〈コメントの内容紹介〉
平均的日本人として
私の雑種文化論について
ナショナリズムを考える

Aセッション討議  テーマ “自伝「羊の歌」及び「日本文化雑種性」論に見る加藤周一”

〈討議の内容紹介〉
雑種性と純粋性について
自伝の虚構性と私小説
フランスに見る雑種性
文化移入とナショナリズムの矛盾
マージナリティとは…

〈Bセッション〉 

発表

「韓国における日本文学史序説-日本文学の特徴とそのアジア的普遍性をめぐって-」
金 泰俊氏(韓国/東国大学校教授)

〈内容紹介〉
1.はじめに
2.韓国で日本文学史がどのように読まれているか
3-1. 「言語とその表記」の場合
3-2. 東アジア的視角(1)―杜甫の場合―
東アジア的視角(2)―大蔵経の交流―
4.結び

「加藤周一と中国 - 日本文化の雑種性論と日本文学史序説 -」 
葉 渭渠氏(中国/社会科学院教授)

コメント:加藤周一氏

〈コメントの内容紹介〉
大蔵経の日本語訳がない
土着世界観と『日本文学史序説』の目的

Bセッション討議  テーマ “『日本文学史序説』をめぐって - 韓国・中国の視点から -”

〈討議の内容紹介〉
何故『日本文学史序説』は翻訳されるのか
日本の雑種性文化について
ポストコロニアルではない
各国の文学史は、どの様に構想されているのか
『日本文学史序説』の場合
文学史と思想史の定義

〈Cセッション〉

発表

「『夕陽妄語』に見る加藤周一 ― 評論の現代的役割 ―」 
ウィリアム・タイラー氏(米国/オハイオ州立大学準教授

〈内容紹介〉
はじめに
「夕陽」とは
「妄語」とは
『夕陽妄語』に見る政治観
加藤周一に見る「英雄の系図」
周辺に位置する

「文学と社会科学の間 ― 加藤周一の場合 ―」 内田芳明氏(元横浜国立大学教授)

〈内容紹介〉
はじめに
『日本文学史序説』について
『夕陽妄語』所感
文学者・社会科学者として
加藤氏の評論の世界
文学形式としてのユーモア

総括  テーマ “加藤周一の社会的評価 ― 戦後社会におけるその意義 ―” 

〈総括の内容紹介〉
鶴見俊輔氏 はじめに
「フレーゲの日記」から
繰り返し一線を越えて
テレビで怒った加藤周一を見た
劉 岸偉氏 宣長と秋成論について思う
普遍的な文学史の方法論
加藤周一氏 谷崎の『細雪』とは

〈特集2〉ユネスコ文化講演会

「アジアの近代化と魯迅・漱石」 李 国棟氏(中国/広島大学外国人教師)

〈内容紹介〉
一.中国の近代化過程
二.魯迅の主張
三.日本の近代化過程
四.漱石の主張
五.両国近代化の未来

「鷗外と漱石の九州 ― その小倉・熊本の雌伏時代 ―」 清水孝純氏(九州大学名誉教授)

〈内容紹介〉
はじめに
漱石の帰郷願望
鷗外の「左遷」の意味するもの
鷗外に見る連続の思想
余裕を楽しんだ漱石
漱石の「則天去私とは
鷗外の「諦念」の意味するもの

コメントは受け付けていません。