「人口減少社会 ― その可能性を考える」を終えて

2019年04月09日

日本の将来に大きな影響を与える「人口減少」という問題について考える福岡ユネスコ文化セミナーは、盛況のうちに終了しました。

人口減少社会 ― その可能性を考える(福岡ユネスコ協会)藻谷浩介氏

コーディネーターの藻谷浩介さん(日本総合研究所主席研究員)による基調講演「日本そして東アジアの人口成熟~全体像と経済への影響」では、人口が減少することよりも人口成熟、つまり生産年齢人口の減少と高齢者の急増が重要な問題だとの指摘がなされました。この問題を聴衆が聞きながら考えていけるように、クイズ形式の質問をはさみ込むなど工夫を凝らしながらの80分強の基調講演でした。

人口減少社会 ― その可能性を考える(福岡ユネスコ協会)藻谷浩介氏

人口成熟という問題は、東アジアの国々で近い将来起きるもので、日本は現在その先頭を走っている状態で、うまく対処すればそのトンネルを最初に通り抜けて、この問題に対する処方箋を他の国に示せるようなモデルとなりうるかもしれないという認識を示されました。

「アベノミクス」への評価を示すと同時に、今後の日本の課題は、女性の就業率上昇を含めた就業者の絶対数を増加させること、拡大する政府の借金を何とかコントロールしていくこと、大都市では出生率が下がるので地方都市をいかに住みやすい街にしていくのかという指摘がなされました。

人口減少社会 ― その可能性を考える(福岡ユネスコ協会)シンポジウム

総論の基調講演を受けて、小林慶一郎さん(慶應大学経済学部教授)による発表は、先進国の中でも極めて高い政府債務比率を持つ日本の財政の今後の展望、そして将来世代に現在の借金のつけを回さないようにするための制度改革の手法を提案されるなど刺激的なものでした。

人口減少社会 ― その可能性を考える(福岡ユネスコ協会)小林慶一郎氏と諸富徹氏

最後の発表者諸富徹さん(京都大学大学院経済研究科教授)は、人口減少化により既に都市の中で起きている「スポンジ化」の事例の提示、生活の質を向上させるための日本のある都市の試みの紹介、維持可能な都市インフラサービスの提供を目指すドイツのフライブルク市の取り組みなど実例を示しながらのお話が展開されました。

人口減少社会 ― その可能性を考える(福岡ユネスコ協会)

最後の3人による討議は、藻谷コーディネーターによる小林、諸富両氏への鋭い質問とその応答により、3講師の発表の内容がより深められました。

なお、当日配布できなかった藻谷コーディネーターの講演資料は、ご希望の方に提供いたしますので、メールまたはFAXで事務局までご請求ください。

→ メールアドレス:fuunesco2014@gmail.com
→ FAX:092-733-1291

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